「コスプレ撮影ってどんな場所で撮ればキレイに撮れるのかな?」
コスプレ撮影を屋外で撮影する場合、おすすめしたいのは「被写体の背後に太陽がある、逆光の状態」です。特に屋外イベントなどでは、この逆光での撮影を心掛けるだけで抜群に写真の出来が良くなります。
今回はなぜ逆光での撮影をおすすめするの理由と逆光で撮る時に心掛けたいコツについて解説します。
この記事の内容
- 逆光のメリットは全部で4つ!レイヤーさんをキレイに映す要素がいっぱい!
- 逆光での撮影のコツは、暗くなってしまう顔を明るくすること。
- 暗くなってしまう顔を明るくする方法を4つを解説します。
私自身もカメラを始めて間もないことは、太陽の方向などあまり考えずに撮影していましたが、この逆光での撮影を意識しだしてから一気に写真のレベルがあがりました。
イベントでの撮影の際に、写真を使ってもらえる確率が跳ね上がったのです。
そんな逆光撮りの良い点と、逆光の環境下の中でキレイに撮る方法を解説します。
Contents
コスプレ撮影を逆光で行うメリット4つ!

逆光は太陽の向きを考え、被写体となるレイヤーさんが背から太陽を受ける状態です。
私はこの逆光での撮影を心掛けています。これは特にコミケやコスサミなどの大型イベントでも非常に使えるテクニックです。
イベントやロケなどでもこの逆光の方向から撮影を行うように、自分の立ち位置を変えたり、レイヤーさんに動いてもらったりしています。
特にはイベントでは並びの撮影となるので、前の人の撮っている方向が順光だったら「こちらから撮影しても良いですか?」と逆光の方向に向きを変えてもらいます。
【順光とは?】
被写体が太陽と向かい合う方向になっていることです。顔に影が出やすかったり、衣装やウィッグが白飛びしやすい、被写体がまぶしくて目が開けづらいなど逆光とは真逆のデメリットがあります。
逆光で撮影する際のメリットは以下の4つが挙げられます。
【逆光で撮影する際のメリット4つ】
- 逆光は自然のバックライト!被写体を引き立たせる!
- 顔に影が入らないので、キレイに撮影できる!
- まぶしくないので、被写体の目をしっかり開けてもらえる!
- 差し込む太陽の光を調整して、ドラマチックな印象の写真が撮れる!
それぞれ詳しく解説していきましょう。
逆光は太陽が作り出す自然のバックライト!
スタジオなどではよくレイヤーさんを引き立たせるために、ストロボを背中から当てたり、壁に当てた光を反射させて、バックライトを作り出すことがコスプレ撮影のテクニックとしてよく使われます。
このテクニックをストロボ無しで出来てしまうのが逆光状態です。
バックライトを当てることで以下のような効果が期待できます。
- 被写体の輪郭をはっきりとさせて、存在感を引き立たせる。
- 太陽の光を当てた髪(ウィッグ)のツヤ感が出てキレイに映せる。
- 衣装も白飛びしたりしないので、色感を残せて映せる。
コスプレ撮影のメインは何と言っても被写体となるレイヤーさんです。
輪郭をはっきりさせて、被写体の存在感をしっかりと引き立たせた写真が撮れます。
また特に濃いピンクや濃い青などの原色に近いウィッグのキャラクターなら逆光は相性抜群です。ウィッグをキラキラとしたツヤ感が出ます。
衣装も逆光状態なら白飛びしません。アニメ原作の衣装などは派手なものが多く、太陽の光に反射して白っぽくなってしまうことがあります。逆光ならこの衣装の白飛びを防げます。
ウィッグも衣装もレイヤーさんが原作に忠実になるように、頑張って作りこんでいるものです。この2つをキレイに撮影できるというのは大きなメリットですよね。
顔に影が入らないのでキレイに撮影できる!
衣装やウィッグだけではなく、顔もキレイに撮影できます。
順光で撮影した場合、鼻やまつげなどの影が顔に入り込んでしまうことがあります。
顔に影が入り込むと非常に印象が良くないです。
逆光状態は顔に影が入らない状態で撮影できるので、被写体の顔をキレイに撮影できます。
まぶしくないので、被写体が半目状態にならない。
順光で撮影すると、被写体は太陽を見て撮影することになります。
日の落ち着いている時間ならまだしも日中のまぶしい太陽を直接見ると、目が半目になってしまったり、うまく開けない状態になってしまいます。特にカラコンが入っている目はまぶしさを感じやすいようです。
逆光状態なら、太陽を直接見なくも良いので、カラコンの入った大きな目をしっかり開いて撮影することができます。ただしカメラマン側はめちゃくちゃまぶしい時もあります。ファインダーをのぞくなどして、自身も目のダメージを少なくするか我慢しましょう。
差し込む太陽の光を使って演出!
特に朝日や夕日などの太陽の光にオレンジの色合いがつく時間を狙えば、ドラマチックな印象を写真に与えることができます。
この時、太陽を全部を写真に入れると光が強すぎて被写体が暗くなってしまうことがあります。被写体や背景の建造物等を利用しながら、一部を差し込ませる構図を意識すると良いでしょう。
逆光でコスプレ撮影するコツ=顔を明るくすること

ここまで逆光で撮影する際のメリットを解説しました。
しかしいざ逆光で撮影すると「被写体の顔が暗くなってしまった」という経験がある方もいるかもしれません。
確かに逆光状態では、前からの光を受けずに撮影するので肝心の顔が暗くなってしまいます。
逆光状態でも顔を明るく撮る方法として、以下の4つのコツを紹介します。
【逆光時に被写体の顔を明るく撮影するコツ!】
- カメラの設定で露出を上げる(+1.0以上にする)
- 撮影する方向を少しずらす、場所を変えて半逆光の状態で撮影する。
- 前からストロボなどを当てて被写体を物理的に明るくする。→一番おすすめ
- 現像時に被写体のみを明るく補正する。
これらの方法を単独で使う、もしくは組み合わせることで「被写体の顔が暗くなってしまう問題」を解決することができます。
なおこの方法は1から順々に難易度が上がっていきます。まずは1,2あたりは機材や知識があまり無くても使える方法なのでまずはこちらから試してみるのも良いでしょう。
詳しく解説していきましょう。
カメラの設定で露出を大きく上げる(+1.0以上)
一眼レフやミラーレス一眼では露出(写真全体の明るさ)を大幅に上げることができます。
被写体の顔が明るく映る露出まで上げて撮影しましょう。
具体的には
A(絞りオート)モードではそのまま設定で露出値を上げます。
M(マニュアル)モードではシャッタースピードを早くする、F値(絞り)を小さく(開放)する、ISOを上げるの3つを調整して、露出を整えます。
撮影状況にもよりますが、露出が+1.0以上の補正となるように調整しましょう。
この時、気になるのが背景の白飛びです。
写真全体の明るさを上げてしまうので、被写体の顔以外にも背景の明るさも上がってしまいます。
イベントなどあまり背景を気にしない場所での撮影ならともかくですが、この点はやはり気になるポイントですよね。
そんな時はこれから紹介する別の方法を試すか、NDフィルターやPLフィルターを使用することで背景の白飛びを防いで撮影ができます。

撮影する方向を少しずらす。もしくは場所を変える
被写体の顔が暗くなってしまうのは、逆光が強すぎる場合に起こります。
もう一つの簡単な方法として撮影する方向や場所を変えるという手もあります。
完全に自分(カメラマン)が太陽を向かい合っている方向から少し方向をずらして撮影します。少しだけ~半分くらい被写体にも太陽の光が当たる方向から撮影してみましょう。
このように半分だけ逆光が被写体に当たっている状態を半逆光と言います。
この半逆光の状態から撮影することで、被写体の顔も明るくなります。
また場所の移動が可能なら、逆光の入りが緩くなるような場所へ移動するのもおすすめです。具体的には「葉っぱが付いている木の下」など太陽の光を少し遮るものがあるところがおすすめです。
前からストロボなどを入れて被写体の顔を明るくする
被写体の顔に光が当たっていないから暗くなる→前から光を入れてしまえばいいじゃん!
というのがこの方法です。正直これが一番おすすめです。
イベントなどでも手持ちでストロボを持っているカメラマンがいますよね。私もイベントの時はこの方法を使っています。
具体的にはそのまま逆光の方向で撮影します。そして被写体に向かって強めのストロボ光を当てます。設定としては1/1~1/8程度の光の強さです。日中シンクロの技術を応用していますので、かなり強めの光を当てる必要があります。
注意点としては、ストロボの光を直接当てると「いかにもストロボの光を当てたという印象の硬い光」になってしまうことです。
直接ストロボの光を当てるのではなく、ディフューザーと呼ばれる光の質を変えるアイテムが必須です。私の場合は、RoundFlashdishを使用しています。
レフ板でもOKですが、使い方には個人的にストロボよりコツがいることやイベントなどではレフ板禁止の規約も増えていることから個人的にはストロボがおすすめです。


現像時に被写体のみ明るくする=Lightroomのブラシ補正
最後に撮影時はそのまま撮影して、後から写真に補正をかける方法です。
Rawファイルを現像するソフトとして使われているAdobe社のLightroomには部分的に写真を補正できる「ブラシ補正」や「スポット補正」がついています。
写真をRawファイルから現像する際に、まず最初に写真全体の露出を設定します。
次に被写体の顔や衣装などの全体をブラシ補正で露出値を上げます。
これで背景の露出と被写体全体の露出を個別に設定できます。
良い映りの明るさまで被写体が映っている部分のみを補正できます。
こう聞くとかなり便利な機能に聞こえますよね。
ですが個人的にはこの方法に頼りすぎるのはおすすめできません。
後からブラシ補正をかけるとかなり不自然な感じになってしまうこともあります。
しかもどう頑張ってもうまく補正できないこともあります。さらにブラシ補正はかなり手間がかかる作業なので、1枚1枚行っていたら非常に時間がかかります。
また現像に慣れないと写真を撮った時に、うまく補正できるかわからないのも難点です。
この方法はあくまで「後から細かいところは少しなら補正できる」という気持ちを楽にするために覚えておいて、なるべく撮影現場での完成を目指して、被写体も適正な明るさにして撮影することがおすすめです。
【まとめ】逆光撮影で屋外撮影のレベルアップ!

今回は逆光でコスプレ撮影を行う際のメリットとコツについて解説しました。
- 逆光はレイヤーさんを引き立たせて映せる効果があること。
- 「顔が暗くなってしまう問題」はコツを掴めば解決できること。
この2つをわかっていただけたでしょうか。特に顔を明るく撮るコツで紹介した4つは、単独で使っても良いですし、組み合わせることで効果を発揮します。
「ストロボである程度明るさを整えて撮影→Lightroomで細かく補正」などいった組み合わせですね。ぜひ参考にしてみてください。
屋外での逆光撮影を覚えると、屋外で開催される大型イベントやロケ撮影の写真の出来が大きく向上します。イベントで写真を送った時に使ってもらえる確率も大きく上がりますので、ぜひ活用してみましょう。

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