「現像すると写真が良くなるって聞くけど、そもそも現像って何?」
「現像するとどんなメリットがあるの?」
現像とは一言で言うと、デジタルカメラのRaw形式で撮影した写真をJPEGに処理する作業のことです。画像の形式を処理するだけでなく、写真の明るさや色合いを自在に調整することができます。
コスプレ撮影をはじめ、写真のレベルが大きく向上できる作業なのでぜひ覚えましょう。
今回はまだ現像をしたことがないというカメラマンさん向けに解説しましょう。
【この記事の内容】
- そもそも現像って何?簡単に説明します。
- 写真を現像する5つのメリット=「撮って出し」とは段違いの写真の出来にできる!
- 現像するのに必要なもの=Rawファイル、パソコン、現像用ソフト
- 現像を勉強する方法=とにかく慣れることと教科書となる本が1冊あると良い!
私自身もコスプレ撮影で撮った写真は、必ずLightroomというソフトを使って現像しています。全体の明るさと色味調整、細かい部分の修正を行い、簡単な美肌補正までしてからレイヤーさんに送付しています。
こういった細部まで調整、補正ができて、写真を理想通りにできるのが現像の良いところですね。
Contents
現像とは何?

現像といってもフィルムから写真を抜き出すわけではありません。
一眼レフの場合、RAW形式で撮影したデータをJPEGに変換する過程のことを言います。
一眼レフで撮影した写真をJPEGにして保存する場合、カメラ内ですでに現像を行って変換が完了しています。この場合、カメラの機能と撮影時の設定により自動的に調整されます。
「JPEGで撮影=カメラが自動で調整した写真が残る。」と覚えましょう。
一方RAW形式で撮影し保存したデータは、カメラ側での調整がされていないデータです。
後からパソコンでの現像を行い、自分の手で調整する必要があります。
「RAWで撮影=自分で調整する前提で写真が残る。」と覚えましょう。
現像の過程はよく料理に例えられます。
JPEG=完成した料理
Raw=料理する前の食材
といった具合にです。カメラメーカーによって料理された状態ではなく、食材を使って自分で料理する状態に写真を残します。
現像とは、写真を自分の手で好みの状態に調整する過程のこととも言い換えることができます。
現像するメリットとは?=撮って出しと段違いの出来
現像とは、撮影した写真をカメラではなく、自分の手で好みの状態に調整する過程のことと説明しました。
とはいえ作業が必要になる分、時間もかかってしまいますよね。
そこまでして現像をするメリットがあるのでしょうか?
そこで私自身が考える現像の5つのメリットを解説します。
【現像の4つのメリット】
- 明るさや色合いを撮影後に好みに直せる
- 失敗写真を補正できる
- 画質を落とさずに調整ができる
- 美肌補正ができる
- プリセットを使って写真をプロの色合いに変更できる
こういったメリットによって、JPEGで撮ったデータをそのまま渡すいわゆる「撮って出し」とは大きく写真の出来栄えを変えることができます。
詳しく解説していきましょう。
明るさや色合いなどを撮影後に好みに調整できる!
現像の際は、写真の露出(明るさ)やホワイトバランス(色合い)などを始め、様々な数値を自分で設定することができます。
細かい調整を行えば、写真に写る人物や背景も細かく修正することもできます。
もっと写真全体を明るくしたい!
もっと青みを追加して、印象的な写真にしたい!
背景になっている空の色をもっと濃くしたい!
肌の色を白く整えたい!
こういった点を設定して、自分の理想通りに写真を仕上げることができます。
失敗写真を補正できる!
コスプレ撮影は意外と時間の無い中で進めることが多いので、後から見直すと「もう少し明るく撮れば良かった…」や「この写真、ストロボが光らなかった…」などの失敗写真があることも多いですよね。
こういった時に現像の際の設定を通じて、後からでも写真の設定の修正ができます。
今まで失敗したら諦めるしかありませんでしたが、現像を覚えれば失敗写真を復活させることができます。
画質を落とさずに調整ができる!
JPEGの状態でも簡単な明るさや色味などの調整は可能です。
しかしJPEGで複雑な調整や大きく明るさを変える調整を行うと画質が悪くなってしまうというデメリットがあります。
JPEG形式はこういったあとからの調整に対応できるようには想定されていないデータ形式だからです。
Raw形式はこういった複雑な調整も想定されているデータ形式なので、後から複雑な調整をしても画質が悪くなることがありません。
美肌補正ができる!
現像を行うアプリには、ディテールや明瞭度など肌の質感を美しくできる数値の調整が付いています。この設定を通じて、被写体となる人物の美肌補正ができます。
コスプレ撮影では必ず被写体となるレイヤーさんを撮るものなので、こういった機能があるのは嬉しいポイントですね。
現像の段階から簡単な美肌補正をして写真を送付するととても喜ばれます。
プリセットを使ってプロの写真の色合いにできる!
プリセットとは、現像の際に設定する各数値があらかじめセットされているものです。
ネット上には有償もしくは無償で、プロのカメラマンが設定したプリセットが配布されています。これをダウンロードして、実際に自分の写真にも使うことができます。
プリセットを活用することで、写真をプロのような色合いに変えたり、いつもの自分の色味と違う写真を現像することができます。
現像するのに必要なものは?

現像をするには、まずRaw形式で写真を撮影する必要があります。
デジタル一眼レフやミラーレスカメラにはほとんどの場合、Raw形式での撮影を選択できるようになっています。カメラの撮影設定で切り替えましょう。
Raw形式で撮影する場合、JPEGのみの場合よりもデータ容量が重くなってしまいますので、SDカードなどのメモリーは容量の大きいものを使う必要があります。
まだRawでの現像に慣れていない状態では、現像がうまくいかないといった失敗に備えた「Raw+JPEG形式」での撮影がおすすめです。
RawとJPEGの両方で写真を残してくれます。
パソコンと現像用ソフト
次に必要になるのがパソコンです。Raw現像を行う場合、スペックの低いパソコンやメモリが少ないパソコンだと非常に読み込みや処理に時間がかかってしまいます。
数枚を現像する程度なら問題ありませんが、1回の撮影の枚数として何百枚もの写真を現像するには、それなりの高スペックのパソコンもしくはRaw現像用に対応したパソコンがあると非常に便利です。
私自身も以前使っていたパソコンでは全くRaw現像が進まなかったので、現像を覚えたのを機にパソコンを買い替えました。mouseの現像用のパソコン「DAIV」を使っています。
スペック等の参考にしてください。
パソコンで現像環境を整えたら、次に必要になるのは現像用のソフトです。
こちらはカメラメーカーが購入者向けに案内しているものもありますが、主流はAdobe社が販売している有料のアプリが使われています。
- Lightroom
- Photoshop
このいずれかを使って現像する人が非常に多いです。
LightroomとPhotoshop
Adobe社の販売する写真現像をはじめ、様々な画像編集・加工ができるソフトです。
色味調整や色彩調整などの基本的な画像加工機能の他、Photoshopでは画像のトリミングや重ね合わせなどの複雑な画像編集が可能になります。
プランによって月額料金と使える機能が以下のように変わります。
プラン名 | 使える機能 | 月額料金 |
Lightroomプラン | Lightroomのみ。1TBのオンラインストレージ付き | 980円 |
フォトプラン(20GB) | Lightroom、Photoshop、LightroomCCが使え、20GBのオンラインストレージ付き | 980円 |
フォトプラン(1TB) | Lightroom、Photoshop、LightroomCCが使え、1TBのオンラインストレージ付き | 1,980円 |
Luminer
最近使っているカメラマンが増えている現像アプリです。
Lightroomが月額料金なのに対して、Luminerは買い切りの料金になっています。
価格は変動しますが、おおむね1~2万円程度で販売されています。
LightroomやPhotoshopとほぼ同等に使える機能があるのに加え、AIハイセンサーという写真を分析して、最適な調整を自動で行ってくれる機能があるのが特徴。
また公式サイトからダウンロードできるプリセットも充実しており、一味違った色味での現像もできます。
【まとめ】現像を覚える方法!=慣れと勉強が必要

今回は現像を行うメリットについて解説しました。
現像を行うと写真の出来が大きく変わりますし、イベントでもスタジオでも使える写真をより多く残せることができます。
Twitterで多くリツイートされているような写真は、ほとんがが現像の過程を通じていると言っても良いでしょう。
ぜひ覚えてカメラマンとしてのレベルアップに繋げましょう。
とはいえ最初はやり方がわからずに戸惑ってしまうかもしれません。
現像を覚えるコツは、とにかく慣れることです。
まずは色々と設定をいじってみて、自分のベースとなる設定を作りましょう。
このベースとなる設定を作ってから、より細かい調整をしたり、時には大きく設定を変えてみたりと様々な方法を試してみましょう。
もう一つは、教科書となるような本を使って各数値や機能を正しく覚えることです。
LightroomやPhotoshopには様々な機能が付いています。使っているうちに「この数値を調整するとどうなるんだろう?」や「この機能はどう使うんだろう?」など様々な疑問が浮かんできます。
また自己流でやっていて、後から実はあまり使うと良くない機能だったのに勘違いして使ってしまっていたという落とし穴もあります。
こういった時に正しく解説されている本があれば、勘違いしたり、いちいちネットで検索しる必要もなく調べることができます。
以下の記事ではそういった現像を覚えるのにおすすめの本も解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。


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