今回は2024年6月に発売されたGODOX社の最新ワイヤレスフラッシュトリガー(コマンダーや送信機とも呼ばれる)「GODOX X3」シリーズについてのレビュー記事です。
GODOX X3は、従来のXシリーズから液晶や電池方式を一新。
デジタル液晶を使用した近代的なデザインで、さらに従来機種よりもコンパクトなサイズを実現したコマンダーとなっています。
今回はそんなX3が発売された直後に購入。
現在までにコスプレイベントやスタジオ撮影で半年程度使用して、感じたことをレビューとしてまとめていきます。(2025年1月時点)
結論として良かった点、悪かった点は以下の通りです。
GODOX X3の良かった点
- よりサイズがコンパクトになり、持ち運びしやすくなった。
- 専用のケースが付属されている。
- セット部分が壊れやすい樹脂製から金属性になり、接触不良が今のところ起きていない。(X3s)
- デジタル液晶が改善され、操作がわかりやすくなった。(タッチパネル式)
- 明るい日中等でも液晶が見やすくなった。(高精細OLEDスクリーン)
- 今のところ、壊れたりしそうな兆候はみられない。
GODOX X3の悪かった点
- USBタイプCでの充電が対応されたが、逆に電池切れしやすくなった。
- 価格は若干高くなっている。(販売価格 15,000円程度)
個人的には2点程度デメリットはありますが、それ以外の点は不満はなく、現状半年間問題なく使えているので間違いなくおすすめできるコマンダーです。
これから初めて使うという方にも、操作も前のGODOXのコマンダーよりもわかりやすくなっているので安心して使用できます。
※GODOXのX3含むコマンダーは、カメラメーカーごとの対応となっています。
ご使用のカメラメーカーに合わせたものを選ぶ必要があります。
商品名の末尾のアルファベットで対応メーカーが識別できます。
- SONY:S
- Canon:C
- NIKON:N
- 富士フィルム:F など
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今回はそんなGODOX X3を実際に使って感じたことをレビューします。
実際の画像をはさみながら、より詳細に解説していくのでぜひ参考にしてください。
GODOX X3のスペック・仕様表と特長
まずはGODOX X3のスペックと特長を実際に使った感想も加えながら確認していきます。
大きな特徴となる部分は赤字にしてあります。
| 商品名 | GODOX X3 |
| 対応メーカー | X3S(ソニー)、X3C(キャノン)、X3N(ニコン)、X3F(富士フィルム) |
| 発売日 | 2024年6月14日 |
| サイズ・重量 | 41×47×39mm/48g |
| 露出制御 | 各カメラメーカーのTTLオートフラッシュ マニュアルフラッシュ マルチフラッシュ(FECフラッシュ露出補正=1/3刻み) |
| 電源 | 3.7V/850mAh(充電式リチウム電池) |
| TCM機能 | TTLモード時の発光設定値をマニュアルモードへ移行 |
| ZOOM機能 | オートまたは24~200に調整 |
| ファームウェア | USB type-cポート経由 |
| シンクロモード | ハイスピードシンクロ、先幕シンクロ、後幕シンクロ |
| メモリー機能 | 最終操作から2秒後に設定保存、再起動後は保存状態に復帰 |
| ディスプレイ | タッチパネル式 |
| ワイヤレス機能 | 2.4GHzワイヤレス送信範囲:MAX100m |
| ワイヤレスID | オフ/01-99 |
| チャンセル | 32(01-32) |
| グループ | A-F、0ー9 |
| 技適マーク | あり |
| 価格 (2025年1月Amazon参考) |
15,000円程度 |
X3の特長①:大きさおよそ5cm、48gの超コンパクトサイズ
やはり一番の特長は、わずか5cm程度の大きさかつ48gの超コンパクトサイズになったことです。
前シリーズのXproの乾電池式から、充電式に切り替わったことでこのサイズを実現できたと言えます。
私自身、コマンダーは常に予備用も合せて2個持っています。
2個とも付属のケースごと入れても、リュックの中で大きな容量をとらずに持ち運びできるようになったのは嬉しいポイントです。
また小さくなったことで、カメラストラップとの干渉等も無くなりました。
より快適な使用感になっています。
X3の特長②:USB type-Cでの充電
X3はtype-Cでの充電が可能になっています。
モバイルバッテリーでの充電も可能になり、予備の乾電池を携帯する必要がなくなりました。
給電したまま使用も可能できるので、撮影途中の電池切れにも対応できます。
ただしこれに関してはメリットデメリット両方あるかな…と思っています。
私が以前使っていたコマンダー『GODOX Xpro』は単3乾電池2本で使っていました。
Xproは電池持ちがとても良く、週2回程度の撮影ペースをこなしていても1年に1回交換した程度です。
ですが、X3は意外と電池持ちが悪く、6回程度の撮影で充電が切れてしまいます。
結構頻繁に充電しているな~というのが印象です。
公式ではフル充電で「1日8時間使用で5日以上使用可能」となっています。
ただモバイルバッテリーさえあればすぐに充電できます。
撮影場所で急に電池が切れてしまい、乾電池を持ってなくて困ることも無くなると思えば良いのかもしれませんね。
X3の特長③:タッチパネル式で操作しやすい!
今までのXproではダイヤルやモニター横のボタンを押して設定する方式でした。
X3ではタッチパネルで操作ができるようになっています。
視覚的にもわかりやすく操作しやすくなっています。
デジタル表示も一新されています。
よりかっこいい表示になりましたし、わかりやすい表示になっています。
X3の特長④:グループ設定が大幅増!
X3では設定振り分けできるグループが、A-Fと0-9の計16グループと大幅に増えています。多灯ライティングがより自由自在にできるようになりました。
X3の特長⑤:ワンタップ接続
X3ではCH(チャンネル)やIDなどの混線を防ぐ設定をワンタップで行ってくれます。
今までは、いちいちコマンダーかストロボ側の設定を合わせる必要がありました。
しかしこの機能に関しては、まだあまり活用できていません。
対応しているストロボが少ないからです。
現状私が持っているストロボではGODOX AD200proⅡしか対応していません。
公式では2024年2月以降発売のストロボに対応とのことです。
それ以前の機種はフォームウェアで順次対応していくようです。
今後まだまだ活用の幅が広がる機能と思ってもらって良いでしょう。
X3の特長⑥:高精細OLED機能
X3になって改善されたのが、画面の見やすさです。
高精細OLEDの液晶になり、暗い場所や逆に明るすぎる場所でも画面が見やすくなっています。
特に良さを実感したのが、夏の屋外撮影です。
従来のXproでは、正直明るすぎる屋外時に画面が見づらく感じることがありました。
X3ではその部分が改善されており、どのシーンでも画面を確認しやすくなっています。
【開封から使用まで】X3の写真付きレビュー!
ここからは実際に開封から使用するまでの流れを解説します。
基本的な使い方がわかるようになっていますので、参考にしてみてください。
使用した機材は以下の通りです。
- カメラ:SONY a7RⅢ
- ストロボ:GODOX AD200proⅡ
- コマンダー:GODOX X3S
開封から起動まで
まずは開封した状態です。
中身はこんな感じになっています。
- X3本体
- ケース
- 保証用QRコード
- 取り扱い説明書
私が購入したネットショップでは保護シート2枚とクリーニングクロスが入っていました。
このあたりは販売店によって違うので注意してください。
X3は側面に電源ボタンが付いています。
長押しすると電源が入って起動します。
製品写真
正面から側面、最後にセット部分です。
SONYに対応しているXpro-Sではセット部分がプラスチック製でしたが、X3では金属性になっています。
割れたりする心配がなくなり、安定性が増しています。
基本的な使い方:セットから設定まで
カメラのホットシュー部分にX3をセットし、電源を起動させます。
チャンネル、IDをストロボに合わせます。
ワイヤレスでのワンタップ接続に対応したストロボなら自動でセットも可能です。
そしてストロボの光量等をX3を使って調整します。
これでシャッターと連動してストロボを発光させる準備完了です。
初めてだと戸惑うかもしれませんが、慣れれば簡単にできるようになります。
セット&取り外しボタンが付いて安心!
X3になって新しく付いたのが、写真真ん中にあるロックボタンです。
カメラのホットシューにX3をセットする時に使用します。
ロックボタンを押しながらセット固定、取り外す時のロック解除の機能です。
これにより非常にセットしやすくなりました。
以前のXproは結構力を入れて奥まで固定、
取り外す時も力を入れて抜くため、いつもセット部分が壊れないか心配でした。
この点は大きな改善と言えるでしょう。
フォームウェアのやり方:
X3に新機能が追加された際や不具合の改善の際は、ファームウェアアップデートを行う必要があります。
やり方は以下の通りです。
- GODOXのホームページからフォームウェア情報ページへ
- 対象のファイルをダウンロード
- ファイル選択で対象のファイルを開く
- X3をUSBでパソコンに接続
- X3のメニューからDevice Infoを選択
- バージョンを確認してUpdateを選択
- Update successでアップデート完了
ちょっと複雑ですが、参考にして進めてみてください。
実際に光らせてみた!
実際にX3を使ってストロボを光らせてみた時の写真です。
GODOX AD200proⅡを使用しています。
タイムラグや設定の狂いなども生じることなく、問題なく使えました。
光らない時に確認したいこと!
シャッターと連動して光らない時は以下の6点を確認しましょう。
GODOXのコマンダーが光らない時に確認すること!
- セットの緩み:使っているうちに緩んでしまうこともあります。画面表示でカメラのマークが出ているか確認しましょう。
- チャンネル等の設定の狂い:知らないうちに触ってしまったり、混線によってチャンネル等がストロボとズレているかもしれません。
- 電池切れ:長持ちする電池ですが、ふいに切れてしまっていることがあります。
- セット部分の故障:GODOXのコマンダーで一番壊れやすい部分です。先端の金属部分に異常がないか確認しましょう。
- カメラのホットシュー部分の故障:これも考えられるケースです。修理が必要になります。
- セット部分や本体の水濡れ:雨撮影後などに起きやすい症状です。防水性はないので必ず対策しましょう。故障の原因にもなりますが、私は放置したら治ったケースがほとんどです。
反応しなくて光らない確率は実際どれくらい?
今までコマンダーを使用した発光での撮影経験がある方はわかると思いますが、接続等の問題でどうしてもシャッターと連動して光らない時があると思います。
X3を使用して光らない時は、体感ですが1,000枚に1度程度あります。
(SONY a7RⅢ使用、GODOXストロボ3灯程度使用時)
この程度ならほとんどストレスなく撮影できるレベルです。
これは使用状況や使用機材によっても異なるかと思います。
あくまで参考程度に思ってもらえればと思います。
【まとめ】GODOXのコマンダー、色々あるけどどれを選べばいいの?
今回はGODOXの最新コマンダー、X3についてのレビュー記事でした。
使用した結果、問題なく使えているのでGODOXユーザー全員におすすめできるコマンダーだと言えます。
ただGODOXのコマンダーは他にも複数種類があり、どれを選んだら良いか迷ってしまうかもしれません。
GODOXのコマンダー種類一覧
- GODOX X1T
- GODOX X2T
- GODOX Xpro
- GODOX XproⅡ
- GODOX X3
基本的にはコマンダーの使い方としてはいずれも一緒です。
カメラのホットシューにセットして、遠隔で設定変更ならびにシャッターと連動して発光させる。例え古い機種でも同じように使用できます。
個人的には以下の点がどのコマンダーを選ぶかを決めるポイントだと思います。
GODOXのコマンダーを選ぶポイント
- 操作できるグループ数:基本的に最新機種の方が多い。
- 大きさ:コンパクトの方が携帯性や使用性に優れる。操作やカメラとの干渉などの使用の快適さにも影響。
- デザイン性:液晶も含めた見た目の好み
- 液晶の見やすさ:液晶の大きさや液晶の性能
- 給電方式:乾電池式かUSB充電か?
- 販売価格:最新機種の方がもちろん価格は高い。
これらのポイントについて以下の表で比較してみました。
ぜひ参考にしてみてください。
最新の販売価格やデザイン性については、各商品ページを参照してください。
各表の商品名をクリックすると最新のAmazonの販売ページが確認できます。
| X1T |
X2T |
Xpro |
XproⅡ |
X3 |
|
| 操作可能グループ数 | 5グループ | 5グループ | 16グループ | 16グループ | 16グループ |
| 大きさ | 72×75×52mm /100g |
72 × 70 × 58mm/90g | 90x58x50mm / 80g | 95 x 62 x 49 /93g | 41×47×39mm / 48g |
| 液晶の見やすさ | 3グループ表示液晶。ダイヤル操作 | 3グループ表示液晶。ダイヤル操作 | 大型で見やすい。ダイヤル操作。 | 大型で見やすい。ダイヤル操作。 | OLED液晶で非常に見やすい。タッチパネル操作 |
| 給電方式 | 単三アルカリ乾電池2本 | 単三アルカリ乾電池2本 | 単三アルカリ乾電池2本 | 単三アルカリ乾電池2本 | リチウム電池(USBtypeC) |
| 販売価格(2025年1月時点Amazon) | 5,660円 | 8,440円 | 11,664円 | 14,920円 | 14,790円 |
実際に使ってみるとより細かいな違いがあるのですが、主要な違いはこのようになっています。
多灯設定ならXproシリーズorX3
まず注目したいのは設定可能なグループ数です。
グループの数だけ設定を分けてストロボを発光させることができます。
X1TやX2Tは5グループとちょっと少なさを感じてしまうのに対し、Xpro以降のシリーズは16グループとより多くのストロボ設定が行えるようになっています。
コンパクトさならX3一択!
次に特徴的なのは大きさです。コンパクトさで選ぶならX3一択と言えそうです。
乾電池での給電がなくなった分、コンパクトなサイズを実現しています。
持ち運びはもちろん、実際に使っていてもカメラストラップと干渉がほとんどなかったりととX3のコンパクトさは快適に使う上で、メリットだと感じています。
操作性、液晶性能ならX3
X3ではタッチパネルによる直感的な操作が可能になり、操作が簡単になっています。
また前述の通り、OLED液晶はどのような環境下でも見やすいのがメリットです。
おすすめはX3!
- 多灯ストロボに使用可能!
- 使用が快適になるコンパクトさや操作性
- 液晶性能
以上のメリットに加え、やはり最新機種であり、万が一何かあっても今後フォームウェアの更新等で改善もいち早くされると予想されること。
またsonyで言えば、セット部分が金属になり安定性が増したことなど…
色々な観点から見て私自身現時点では、一番のおすすめはX3と言えます。
価格差はあるものの、それを上回る価値があると思っています。
とりあえず迷ったらX3でOKと言えますが、あとはストロボの使用状況で決めても大丈夫だと思います。
この記事がコマンダー選びの参考になれば幸いです。
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