テクニックとコツ

コスプレイベントでのストロボの使い方とコツ!【使用機材も公開】

「イベントでレイヤーさんに使ってもらえる写真が撮りたいな。ストロボを使えばキレイに撮れるのかな?」
「イベントに行くとカメラマンがストロボを使っているのを見るけど、どんな設定や装備なのかな?」

今回はそんな疑問にお答えします。

実際にコミケなどの大型のコスプレイベントに行くとストロボなどの機材を持ったカメラマンを大勢見かけますよね。

この記事を読むことで、カメラマンがキレイな写真を撮るために使っているテクニックや機材をそのまま真似て実践することができます。

この記事の内容

  • 有名カメラマンが屋外イベントでストロボを使う理由
  • 私のコスプレイベントでの撮影機材セットを公開します。
    →カメラ、レンズ、ストロボ、ディフューザー
  • 【写真を使ってもらえるようになる】イベントでのストロボ撮影のコツ6選

私自身も今まで多くのコスプレイベントに参加してきました。
最初は写真を送ってもなかなか使ってもらえませんでしたが、このイベントでのストロボ撮影を覚えてから、レイヤーさんに写真を使ってもらえる確率が爆上がりしました。

小さいイベントでは掲載写真数でトップの枚数になったり、
参加者の多い大型のイベントでも1万人以上フォロワーがいるレイヤーさんに速報用として使ってもらったこともあります。

そんな経験を元に「どうしてストロボを使うのか?」を実際に使っている機材を紹介しながら解説します。

有名カメラマンがイベントでストロボを使う理由!

実際にコスプレイベントに行くとスタジオ撮影並みに機材を持っているカメラマンも見かけます。特にストロボとリングの形をしたカバーのセット、最近すごく増えています。

こんな感じのストロボカバーです。
のちほど紹介しますが「Roundflash dish」と言うディフューザーですね。

 

暗い屋内なら「明るく照らすため」と理解できるかもしれませんが、どうして彼らは昼間の明るい屋外イベントでもストロボを使うのでしょうか?

コミケで撮影する屋上や防災公園など日陰すらない野外中の野外ですよね。
他のコスプレイベントでも暗い場所が無く、太陽光ガンガンの屋外で行われています。

屋外でもカメラマンがストロボを使うのは以下の4つの理由からです。

  1. 顔に影が入るのを防ぎ、キレイに映すため。
  2. 背景と被写体の露出のバランスを整えて、キレイに映すため。
  3. ストロボを使うと被写体となるレイヤーさんが引き立つ写真が撮れる。
  4. レフ板が規約で禁止されているイベントが多いため。

 

コスプレイベントでは何よりも「顔と衣装をキレイに映すこと」が求められます。
そのための工夫としてコスプレイベントでカメラマンはストロボを使用します。
詳しく解説していきましょう。

顔に影が入ったり、暗くなるのを防ぐため!

レイヤーさんに対して、並びの撮影がメインとなるコスプレイベントでは常に自分が撮りやすい角度や方向から撮影できるわけではありません。

角度によっては太陽が真上にあって顔に影ができやすかったり…
逆光になっているので、普通に撮影すると顔が暗くなったりすることがあります。

そんな時にストロボがあれば、顔を明るく照らすことができます。
顔に影ができたり、逆光時に顔が暗くなる状態をストロボを使って改善できます。

背景と被写体の露出(明るさ)を適正にするため!

屋外の逆光状態で撮影する場合、顔はどうしても暗くなってしまいます。
もしストロボが無い場合、顔を明るく撮るためにカメラの設定で露出を+(プラス)補正する必要があります。

しかしその場合、写真全体の明るさが上がってしまいます。
背景に青空などを映したくても、露出がオーバーとなると白くぼやけて消えてしまいます。
また衣装なども白飛びしてしまい、本来の色合いが残りません。

そんな時にストロボがあれば、
「背景はちょうど良い明るさに設定→顔など足りない分の明るさはストロボで補う」
このような使い方ができます。

この撮影は日中シンクロというポートレートなどでよく使う撮影技法に基づいて行われています。

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ストロボを使うと被写体が引き立つ映りになりやすい!

実際に屋外でストロボを使った写真を撮影すると、非常に被写体となるレイヤーさんが引き立つ映りとなりやすいです。具体的には

  • 輪郭がはっきりして、浮き上がったような印象
  • ウィッグがきめ細かく映り、色も光を帯びてツヤがある印象となる
  • 顔に不自然な影がなく、肌の質感もキレイに映る。

こういった映りになります。特に最近のコスプレイベントでは非常に好まれる傾向の映りなので、カメラマンのストロボ使用率が高まっているのです。

レフ板が規約で禁止されているイベントが多い

以前は被写体の顔に光を当てるのに、レフ板が使われていました。

最近の屋外のコスプレイベントでは、一般人の往来の多い場所でも開催されるので、通行の妨げになるような、レフ板などの機材が禁止されていることがあります。
その代わりにストロボが使われていることが多いです。

ただしイベントによってはストロボの使用も規約で制限されているものもあります。
ここは当日までにイベントのホームページなどで確認しておきましょう。

今のところ、コミケやコスサミ、ストフェスやホココスなどの大型イベントはスタンドは禁止ですが、手持ちの場合やクリップオンストロボはOKです。

 

屋外コスプレイベントでの機材セット公開!

コスプレカメラマンが屋外イベントでストロボを使う理由を解説しました。
ここからは実際にどんな機材で撮影しているのかを公開します。
私の場合は、コスプレイベントでの装備はこんな感じです。

カメラ SONY α7RⅢ (ミラーレス一眼)
レンズ SIGMA 35mm F1.4DG HSM(Eマウント用)
ストロボ GODOX AD200
ディフューザー RoundFlash dish
関連アクセサリー

GODOX ラウンドフラッシュヘッド H200R
GODOX Xpro-s (ソニー用のラジオフレーブ)

色々と試した結果、コスプレイベントでの装備はここに落ち着きました。
カメラは今回は省略して、それぞれを使っている理由を詳しく解説しましょう。

レンズの焦点距離は35mmがポイント!

レンズはSIGMAのArtシリーズの「35mm F1.4DG HSM(Eマウント用)」です。
1㎏を超える重さなのが難点ですが、描写性能に優れているのに加え、35mmという焦点距離がポイントです。

私がよくイベントで撮影するのは、レイヤーさんをバストアップ程度に収めた写真です。
その際に35mmの焦点距離が被写体との距離とのバランスがちょうど良いです。

 

ただし最近ではずっと35mmの焦点距離だけでは物足りなくなってきたので、F値を2.8まで調整できて焦点距離に幅を付けられるズームレンズを購入しました。

 

 

F2.8で絞れる他、焦点距離によって撮り方に幅もできるので重宝しています。

 

ストロボはコスプレ撮影で人気!コスパ抜群のAD200

ストロボはGODOX社のAD200です。
コスプレ撮影では非常に人気の高いストロボです。
光量が十分強いことに加え、コスパが非常に良いのが特徴です。

AD200は豊富なアクセサリーも魅力の一つです。
イベント撮影の場合は、ストロボヘッドを別売のH200Rを使用して、拡散させた柔らかい光を作っています。

ディフューザーはRoundFlash dish

ディフューザーはストロボとセットで使用し、紗幕を通じて光の質を変えるものです。
イベント撮影の場合は、ソフトボックスなどの大型のものは使えませんのでこちら「RoundFlash dish」を使用しています。

内部にストロボをセットできるようになっており、マジックテープで固定してセットします。実際にセットしてみるとこんな感じ。

開けると直径は約45cm、使わない時は折り畳みも可能で軽いのでイベントでも便利です。
撮影すると肌の質感を良くするだけではなく、きれいな丸形のキャッチライトも入ります。

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コマンダーを利用してオフカメラライティング!

カメラについているこちらの機材はGODOXのコマンダー「GODOX Xpro-s」です。
こちらはカメラとストロボが離れていても、シャッターに連動してフラッシュを発光させるためのものです。

実際にイベントで撮影する際には、カメラのホットシューにストロボを付けない「オフカメラライティング」で撮影します。その際の必需品です。

 

この機材でどう撮影してるの?

右手でカメラを持って操作し、左手でストロボを手持ちして撮影します。
コマンダーを活用したオフカメラライティングです。
かなり重いです。一日中この装備で撮影するとかなり疲れますね。
三脚が使えれば楽ですが、多くのイベントは規約で三脚が使用禁止です。

被写体となるレイヤーさんはバストアップ気味の構図が多く、35mmの焦点距離でバストアップを収めようとすると結構近づく必要があります。およそ1m程度の距離でしょうか。

また左手でストロボを持ち、被写体の顔から斜め45度を意識した高さまで手をあげます。

正直ちょっと見慣れていないと異様な恰好で撮影している…ともいえそうです。

イベントでのストロボ撮影のコツ6選!

しかし実際にストロボを持っていても、イベントではうまく撮影できないという声も聞きます。そういった時は今から解説するコツを実践してみましょう。全部で6つ紹介します。

またこれらのコツを読むと、なぜさっき紹介した機材を使っているのかの理由もより詳しくわかってもらえると思います。

  1. 屋外イベントでは逆光でのストロボ撮影がおすすめ!
  2. 予想以上に近づく必要があり!私が35mmレンズを使う理由。
  3. 直当てするストロボの光を柔らかくする必要がある=ディフューザーが命。
  4. ストロボの光量は強め!同時にハイスピードシンクロモードを使うこと。
  5. 使い方に慣れることとベースとなる設定をあらかじめ決めておく。
  6. 最終的には現像で補正ができるので、ピントに集中する。

屋外イベントは逆光でのストロボ撮影がおすすめ!

まず撮影をする際は、太陽の向きに注目してみましょう。
おすすめはレイヤーさんの背中方向から太陽が当たっていて、自分の向いている方向に太陽がある「逆光」でストロボ撮影を行うことです。

太陽とレイヤーさんが向かい合う形の「順光」ではもともとかなりまぶしく、ストロボを使うと白く飛びすぎますし、まつげや鼻の影が目立ちやすくなります。

逆光から撮影し、「背景の明るさはカメラの設定で調整→暗くなったレイヤーさんの顔をストロボで明るくする」これを意識するとストロボ撮影はうまくいきます。

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予想以上に近づく必要があり!私が35mmレンズを使う理由

ストロボを使ったものの、被写体の顔をうまく明るくならない場合や光の質が硬くて、肌の質感がキレイに映らない時は、もっとストロボを被写体に近づけて撮影しましょう。

先ほど紹介したRoundFlashなどを付けたストロボで、4mくらい離れたかなり遠い距離からストロボを当てているカメラマンを見かけますが、おそらく光が届かず意味がないです。

ディフューザーを使うとその分ストロボの光量は落ちますし、被写体とストロボは近ければ近いほど肌の質感をキレイに映す柔らかい光になります。

私の場合、35mmの焦点距離でバストアップ構図を撮る時の距離(被写体から1.5m程度)がストロボを左手で持った時の使用感とちょうど良かったのです。

あまりに近いと不審がられますが、ある程度近づいた方が良いことは意識しましょう。

直当てするので、光を柔らかくするディフューザーが命!

ストロボで撮った際に、どうしても肌の質感がキレイにならないとよく聞きます。
重要なのが、光の質を肌の質感がキレイに映る「柔らかい光」にすることです。
ここは超重要です。イベント撮影はここが命と言っても良いです。

RoundFlash dishなどの光の質を柔らかくするディフューザーが必須です。
私の場合はRoundFlash dishに加えて、AD200のヘッドをH200Rに変え、より光の質を柔らかくするようにしています。

 

ストロボの光量は強め!ハイスピードシンクロモードにしておく!

日中シンクロの撮影方法を使用するのが、コスプレイベントでのストロボ撮影です。
ストロボの光量は、強い逆光にも負けないぐらいの強さが必要になります。
設定でも1/1~1/8程度とかなり強めに設定することが多いです。

また昼間の明るい環境では、背景の明るさを整えるためにシャッタースピードをかなり早めにする必要があります。

1/250より早いシャッタースピードでもストロボを光らすには、ストロボをハイスピードシンクロモードにする必要があります。

強めの光量でハイスピードシンクロモードでストロボを使うとかなり電池の消費も激しくなります。なのでバッテリーにも気を付けなければいけません。

私がAD200を使うのは多少重いのが難点ではありますが、

  • 光量が十分に強い
  • ハイスピードシンクロモードに対応
  • 1日酷使してもバッテリーが切れない

この3つの条件を満たして、かつコスパが良いからです。

 

機材の使い方に慣れることとベースとなる設定を決める!

最初からストロボ撮影を行ってもうまくいかない場合がほとんどです。
イベントでの撮影を重ねるうちに徐々に慣れて使い方がわかってきます。

同時にうまくいった撮影時の設定を覚えておき、次の撮影の時はその設定から始めて、気になるところを微調整するという形で進めましょう。

参考までに私のイベント撮影でのベースの設定も書いておきます。
この設定から気になるところを調整して撮影を行います。

  • F値(絞り)…F2.8
  • シャッタースピード…1/125
  • ISO…常に100で固定する
  • ストロボの光量…屋外1/4、屋内1/16

最終的に現像で補正も可能!ピントに集中する。

写真をRawファイルで撮影すれば、Lightroomなどのアプリを使って現像処理を行います。その際に明るさや色合いなどは細かい補正をすることができます。

この現像を覚えると非常に撮影が楽になります。どうしてもその場で調整がうまくいかなくても現像の際に再度調整ができるからです。とはいえ過度な白飛びや真っ暗な写真は補正ができません。

特にイベント撮影は時間が限られています。ある程度まで調整ができたら、あとは撮影に集中して、後から補正の効かないピントに集中するのも一つの手です。

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【まとめ】イベントでのストロボ撮影はカメラマンのこだわりが詰まっている!

今回はコスプレイベントでストロボ撮影をする時の使い方とコツの紹介でした。
簡単なように見えて、イベントでの撮影でも多くのカメラマンが撮影方法とそれに合わせた機材に工夫をしています。特に機材へのこだわりの差が大きく出るのがイベントでの撮影です。

こう聞くと「機材を揃えて自分も有名カメラマンみたいな写真を撮りたい!」と思うかもしれませんが、機材は今後自分の撮影したい写真と予算と相談しながら徐々に買い足すのがおすすめです。
(今回紹介したカメラ以外の機材を全部揃えると合計で15万円程度かかります。)

今カメラを持っている場合は、次にストロボ+ディフューザーのセットを購入すると良いでしょう。イベントとスタジオどちらが撮影機会が多いかで決めても決めても良いと思います。

機材は非常に高価なので、事前にレンタルなどで低価格で試したり、購入の際はAmazonや楽天などのネット通販を利用すると安く購入できますので、参考にしてみてください。

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