- ハイスピードシンクロ(日中シンクロ)をしたいけど設定方法がわからない…
- AD200を使ったハイスピードシンクロ方法を教えて!
- 屋外で青空を残したり、昼間でも背景が暗い写真はどう撮ればよいの?
今回はカメラマンさんのこんな疑問にお答えします。
ハイスピードシンクロ(HSSとか日中シンクロとも言う)は撮影の幅が広がるテクニックの一つです。
方法としては、カメラやストロボを正しく設定して、アクセサリーやディフューザーを同時に使用することで写真としての出来が良くなります。
特にコスプレ撮影やポートレート撮影では、必須ともいえるテクニックなのでぜひとも覚えましょう。
Contents
そもそもハイスピードシンクロとは?
ハイスピードシンクロ(HSS)とは、シャッタースピードを早くすることで、写真全体を暗くして背景の色合いをくっきりと際立たせる撮影テクニックです。
よく使われるのが、明るい日中での逆光下で人物撮影を行う時です。
普通被写体の顔を明るくすると、必然的に写真全体明るさ(露出)を上げることになります。
しかし露出を上げると背景となる空や建物は白トビしてしまい、本来の色合いを残すことができません。
そこで使われるのが、ハイスピードシンクロです。
「背景は設定で暗く、被写体は明るく」が可能になる!
通常ストロボは1/250以上のシャッタースピードには対応できません。
しかしストロボの設定をハイスピードシンクロモードに切り替えることで、1/250以上のシャッタースピードにも対応させます。
背景の露出をシャッタースピードで暗くして、被写体をストロボ発光で明るく照らす。
これがハイスピードシンクロの撮影方法で、別名日中シンクロとも呼ばれています。
AD200などGODOXのストロボでハイスピードシンクロを行う時の設定方法
ハイスピードシンクロを行う時の設定方法は、とても簡単です。
- ストロボ側でボタンを押し、ハイスピードシンクロモードへ切り替える。
- コマンダー側でもボタンを押し、ハイスピードシンクロモードへ切り替える。
それぞれGODOX(ゴドックス)から発売されているストロボ「AD200」とコマンダー「Xpro」シリーズを使った場合を画像付きで解説しましょう。
ストロボ側でボタンを押し、ハイスピードシンクロモードへ切り替える。
GODOXのストロボでハイスピードシンクロに対応している機種なら、ボタンを押すだけでハイスピードシンクロモードへの切り替えが可能です。
GODOXのハイスピードシンクロは「雷のような形をしてHの文字があるマーク」が目印です。
AD200の場合は、右下にある「アンテナのようなマークのボタン」(横に「雷のような形をしてHの文字」がある)を長押しします。
すると画面に同じマークが表示されます。これでOKです。
コマンダー側でもボタンを押し、ハイスピードシンクロモードへ切り替える。
次にコマンダーです。ハイスピードシンクロはほとんどの場合、オフカメラライティングで行うので、コマンダーでの設定も必須になります。
Xproの場合は液晶下の4つの横並びのボタンのうち、左から2番目のボタンを押します。
ちょうど液晶では「SYNC」と対応しているボタンです。
すると液晶画面上部に「雷+H」のハイスピードシンクロモードのアイコンが表示されます。これでOKです。
設定完了するとシャッタースピードが1/250より早くできる!
これでストロボ、コマンダー両方の設定が可能になりました。
ここまで完了すると、シャッタースピードが1/250より早く設定が可能になります。
ちなみに私の使っている「SONY α7RⅢ」ではこの2つを完了させないと、ストロボ使用時はシャッタースピードが1/250より早くすることができません。
あとは使用しているカメラの機種によっては、カメラ側でもハイスピードシンクロモードに設定する必要があるかもしれません。
このあたりは一度、お手持ちのカメラで設定を調整してみてくださいね。
これでハイスピードシンクロ撮影の準備は完了です。
ハイスピードシンクロ撮影をする時のコツ!
設定が完了したら、ハイスピードシンクロ撮影ができますが、最初はなかなかうまくいかないこともあるかもしれません。
そこで私なりのハイスピードシンクロ撮影のコツを6つ、合わせて解説していきます。
- カメラの設定で背景に露出を合わせる
- 設定で背景に合わせた後に、ストロボの光量で被写体の明るさを決める。
- 後から現像で修正することも考える。
- 硬い光になりやすいため、ディフューザーは必須。
- 光が足りない時は、より強い光のストロボを使うかストロボを足す。
- NDフィルターは日中シンクロにめちゃくちゃ使える!
①カメラの設定で背景に露出を合わせる
まずはカメラの設定で、背景の露出を合わせます。
例えば空の色を残したいなら、ファインダーで見た時に理想の色になるように露出を決めます。
カメラの設定で明るさを決定するには
- シャッタースピード
- 絞り(F値)
- ISO感度
この3つの数値を変えて明るさを調整します。
絞りとISOは写真や被写体の映りを左右するので、シャッタースピードをメインで調整すると良いでしょう。
②設定で背景に合わせた後に、ストロボの光量で被写体の明るさを決める。
背景を理想の明るさにしたら、次は被写体の顔や全体を映す明るさの設定です。
ここはストロボの光量をメインで決めます。
ほとんどの場合、かなり強い光量を必要とすると思います。
私の場合もフル発光の1/1~1/4程度で撮影することが多いです。
ハイスピードシンクロ撮影はとても電池の消耗が早いので、予備の電池や充電できる用意をしておくことをおすすめします。
③あとから現像で修正することも考える。
ここまで設定していっても、なかなかうまく色合いや露出が理想通りにならないかもしれません。ある程度まで完成したら、あとは現像時に直すことも考えましょう。
例えば現像ソフトとして一般的なLightroom(ライトルーム)では明るさを細かく調整できますし、被写体や空だけを抜いて調整する機能もあります。
こういった機能を使って、あとから修正をかければ、より理想の色へと近づけます。
あとから修正できない「過度な白トビ」「過度な黒つぶれ」「ブレ」の3つに気を付けながら、ある程度気楽な気持ちで撮影を進めましょう。
④硬い光になりやすいため、ディフューザーは必須。
ストロボで強い光を当てるので、ハイスピードシンクロ撮影はどうしてもあまり好まれないいわゆる「硬い光」になりがちです。
被写体の肌の質感を良くするディフューザーは必須と言えます。
代表的なものでは「アンブレラ」や「ソフトボックス」といったものです。
こちらの記事でおすすめを何種類かピックアップしているので、参考にしてみてください。
⑤光が足りない時は、より強い光のストロボを使うかストロボを足す。
光量が強いAD200であっても天候状態によっては、光が足りない時があります。
そんな時は光を足して、より強い光量を作り出す方法を考えます。
具体的には
- 他のGODOXのストロボを併用して使用する。
- AD200を2つセットできるアクセサリー GODOX ADーB2を使用する。
- より光量が強いAD300を使用する。
この3つがあります。簡単に解説しましょう。
①他のGODOXのストロボを併用して使用する。
AD200と併用して、他のGODOXのストロボをクリップなどでくっつけて使用しましょう。
実際に使用するストロボとしては「GODOX Ⅴ850Ⅱ」がおすすめです。
十分な光量があって、ハイスピードシンクロ撮影に必要なリサイクルタイムが短いことや大容量のリチウムイオン電池を使っているからです。
②AD200を2つセットできるアGODOX ADーB2を使用する。
AD200を二つセットして、合計400W分の光を作る「GODOX AD-B2」というアクイセサリーがあります。
背面にAD200を2つセットして、ベアバルブヘッドを表面に2つセットします。
これを使えばより強い光を作れて、日中シンクロに十分対応できます。
ただしその分重さは倍増するので、しっかりしたライトスタンドが必要になります。
③より光量が強いAD300を使用する。
モノブロック型のストロボであれば、AD20よりも光量が強いAD300もあります。
小型なモノブロックストロボにも関わらず、AD200よりも100W強い、300Wの光量が可能です。
NDフィルターは日中シンクロにめちゃくちゃ使える!
背景の色をしっかり残したいなら、NDフィルターを活用するのもおすすめです。
NDフィルターとは、レンズに装着して明るさを抑えるアクセサリーです。
日中シンクロ撮影時に、非常に役立ちます。
フィルターの効果が気になる方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
【まとめ】設定は簡単だが、使いこなすのが難しいハイスピードシンクロ
ハイスピードシンクロ撮影は、設定方法は簡単ですが納得いく写真映りができるまでは結構慣れと経験が必要です。
解説したコツを参考にしていただいて、ぜひとも使いこなせるようになりましょう。
写真撮影の幅が大きく広がるテクニックになります。
【おまけ】知らないと損!撮影機材を安く買う方法!
今回紹介したAD200や関連アクセサリーを安く買う方法をまとめたおすすめ記事です。
ぜひ参考にしてみてください。
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