「カメラのISOってどれくらいに設定すれば良いのかな?」
「ISOって上げると画質が悪くなるって本当?」
今回はコスプレを撮影するカメラマンさんやレイヤーさん向けに、こんな疑問にお答えします。
ISO(アイエスオーもしくはイソと呼ばれる)感度は適切に設定されていないと、写真が暗くなったり、ブレてしまったり等うまく撮影できません。
この記事ではそういった失敗を防ぐために、コスプレ撮影においてISOを正しく設定する方法について解説します。
【この記事の内容】
- ISOって何?写真にどう影響するの?
=明るさと画質に影響する。 - コスプレ撮影ではISOを上げちゃダメな理由
=加工やトリミング前提で使うから - コスプレ撮影でのISOの設定の仕方
=基本は100で固定して撮影状況で上げる。上限は1,600程度。 - じゃあもっと暗いところはどうすれば良いの?
=ISOを上げすぎないように、環境光や機材を使う。
私はコスプレ撮影歴は6年になります。常にM(マニュアル)モードで撮影しているので、F値・シャッタースピード・ISOなどの細かい設定を毎回一から設定しています。
イベントからスタジオ、昼間から夜まで様々な状況で撮影をしてきました。
その経験を元に、コスプレ撮影でのISOの設定方法を解説します。
Contents
ISO(イソ)感度って何?写真にどう影響するの?
ISOとは一言で言うと「写真の明るさを決める要素」の一つです。
カメラによって変わりますが、ISOは100~12800程度まで設定することができます。
ISOの数値が高ければ高いほど、写真全体の明るさは明るくなります。
ただしISOを高くすればするほど、写真にはノイズと呼ばれるざらつきが入り、画質が悪くなります。
ISOはどんな時に設定する?=暗いシーンで写真を明るくする時
カメラはシャッタースピード、F値(絞り)、ISO。この3つの要素で写真の明るさを決定します。
AUTOモードではこの一つ一つを細かく決めなくてもカメラがちょうど良い明るさを設定してくれます。
しかしM(マニュアル)モードでは、この3つを自分で設定して決めなければいけません。
その時にISOを決める必要があります。
そしてISOを細かく設定しなければいけない時は、暗い部屋や夜間での撮影など暗いシーンで撮影する時です。
そのまま撮ると暗くて、被写体が映らない時などにISOを上げて、写真全体の明るさを上げるように調整する必要があります。
ISOを上げると画質が悪くなる…
ただし明るくするためにISOを上げすぎると、画質が悪くなるというデメリットがあります。
カメラはISOを上げることによって、光をとらえる電気信号を増幅させます。
その影響で写真にノイズと呼ばれるざらつきが入ってしまいます。
このノイズが写真に入るために画質が悪くなってしまいます。
このノイズはISOを上げれば上げるほど強くなり、その分画質も悪くなります。
コスプレ撮影ではISOの上げすぎは厳禁!理由は?
こういうとISOは上げてはダメと思うかもしれませんが、実際に撮った写真を見てもそこまで違いはわかりません。
特に最近の一眼レフは非常に高性能なので、実際にノイズを上げてもWEB上で見るような小さい画像なら、ISOの数値を過度に上げない限りはよほど違いはわかりません。
ただしコスプレ撮影においてはなるべく低い値のISOで撮影することをおすすめします。
その理由はコスプレ撮影での写真の用途にあります。
コスプレ撮影で撮った写真はレイヤーさんに渡すことでTwitterにアップされます。
その写真はそのままアップされることは無く、ほとんどがレイヤーさんの手で加工アプリでの加工やトリミングを経てアップされます。
そしてISOを高くしてノイズが入った写真は、加工アプリやトリミングを通すと非常に画質が悪くなってしまうからです。
もちろん加工方法に注意すればノイズが目立たずにできることもありますが、カメラマンからはその方法を指定できませんし、レイヤーさんによって加工方法は変わります。
どんな加工方法を使っても、なるべく画質が悪くならないように、ISOはなるべく上げずにノイズの入っていない高画質の画像を送ることをおすすめします。
コスプレ撮影でのISOの設定方法=基本は100で固定
ISOの上げすぎはコスプレ撮影では良くないことを解説しました。
では実際に撮影する際、ISOはどうすれば良いかを説明します。
結論から言うと基本ISOは100で固定して、他の設定を調整することで写真全体の明るさを調整します。そして他の設定をして、まだ暗い場合にISOを上げて明るさを整えます。
具体的には「F値の設定→シャッタースピードの設定→ダメならISOを設定」します。
順番に説明しましょう。
まずはF値(絞り)を設定する!ボケと明るさを決める。
まずはF値(絞り)を設定します。F値は写真のボケ具合と明るさを左右する数値です。
F値(絞り)は低くすれば(開放する)するほど、ボケ具合と明るさが強くなります。
私の場合、F値は個撮(撮影対象が1人)の場合、F2.8程度。
人数が多くなればなるほどF値を高くします。(F4.5~F8.0程度)
人数が多い時、F値が低いと手前の被写体にピントが当たってしまい、他の被写体がボケてしまうためF値を高くします。
まずは自分の撮りたいボケ具合に応じてF値を決めると良いでしょう。
シャッタースピードの設定=上限は1/80程度
次に設定するのがシャッタースピードです。
シャッタースピードは「1/〇〇」という数字で表され、この数字が低いほどシャッタースピードが遅くなります。そしてこの数字が低いほど写真全体の明るさは明るくなります。
このシャッタースピードを調整して、写真の明るさを調整します。
ただしシャッタースピードはあまり遅くしすぎると手振れの影響で写真全体がブレてしまいます。なので上限を決めて撮影する必要があります。
通常通り手持ちで撮影する場合、ブレずに撮影できるシャッタースピードは1/80程度までです。また1/80でも、カメラを正しい持ち方で撮影しないとブレてしまうので注意しましょう。
最後にISOで調整する!上限の目安は1600程度
F値、シャッタースピードを調整した後でまだ写真が暗い場合にISOを上げて、写真全体の明るさをプラスします。
コスプレ撮影での写真の用途を考えた場合、ISOは上限の目安は1600です。
もし1600にしてもまだ暗い場合は、もう一度F値やシャッタースピードを見直すようにしましょう。
なるべく低い値で撮影できるように設定を調整しましょう。
もっと暗いところで撮るには?=環境や機材を使用
「調整したけど、撮る場所が暗すぎて写真が暗くなってしまう…」
「ISOが1600を大きく超えてしまう」
「暗い場所でもISOを抑えて撮影する方法はないの?」
- こういった場合、カメラの設定だけでは難しいので他の方法を使う必要があります。
- 具体的には以下の3つの方法です。
- スタジオに備え付けの定常光、街灯や自動販売機などを利用する。
- ストロボを使う
- LEDライトで顔を照らす
スタジオの定常光・街灯や自動販売機の光を利用する
ISOを抑えるには、より明るい環境で撮影する必要があります。
なので撮影する環境をより明るくしましょう。
スタジオであれば、ほとんどのスタジオにスイッチを入れて使うタイプの定常光があります。ソフトボックスに入っているものです。
屋外であれば、街灯の光を利用したり、自動販売機など光を発するものの近くに移動して明るい環境の元で撮影します。
使える場所は限られますが、機材などを買わずに試せる方法として紹介します。
ストロボを利用する!
環境に頼らなくてもストロボを持っていれば、撮影空間を明るくできます。
ストロボの光量を調整しながら、同時にISOを低くするように設定します。
ストロボを使う場合は、被写体に直当てするといかにもフラッシュを使ったという映りの写真になってしまいます。なのでディフューザーを使用したり、オフカメラライティングを使い、より柔らかく自然な光で被写体を照らす必要があります。
LEDライトを使う!
「ストロボの使い方が難しい」
「揃えたいけど予算が無い」
そんな場合は簡易のLEDライトを使うと、暗い場所でも撮影が可能になります。
しかもストロボのように複雑な設定も必要なく、スイッチを入れるだけでOKです。
さらにストロボより値段は安く販売されています。
おすすめなのは「NEEWERのLEDビデオライト」です。
私自身もストロボの使い方を覚えるまで、夜の撮影はこれを使っていました。
乾電池を入れてスイッチを入れればOKです。
夜間の撮影でも人の顔を簡単に明るく撮れます。
またストロボ直当てのような不自然な感じもなく、肌の質感をキレイに映します。
ストロボでの撮影を覚える前に、夜の撮影の機会が入ってしまったらこれを使うのも良いと思います。
【まとめ】コスプレ撮影のISOは基本低め→設定と機材を活用する!
コスプレ撮影におけるISOの設定方法について解説しました。
もう一度ポイントをおさらいしておきましょう。
- 加工やトリミングされることを前提に、ISOは低めに撮る。
- F値、シャッタースピードを設定した後、暗い場合にISOを上げる。
- 環境や機材を利用してISOは1600以下に抑える。
カメラの性能や表現方法に応じて各数字は変わると思いますが、基本的にはコスプレ撮影でのISOは上記のように設定するのがおすすめです。
まずはカメラの設定で対応できる暗さを知ること。
もしカメラの設定だけでは難しいような撮影機会が増えてきたら、ストロボやLEDライトなどの機材の活用を検討すると良いでしょう。
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