機材とカメラ

【レビュー】GODOX AD200とAD300を比較!どっちを選ぶべき?

  • GodoxのAD200とAD300ってどっちを選ぶべき?違いを知りたい。
  • AD300はAD200より高いけど、それだけの価値があるの?
  • 比較した上での選ぶポイントを教えて!

今回は人物撮影を行うカメラマンさん向けのこんな悩みを解決します。
私自身GODOXの機材を愛用していて、普段はAD300とAD200を両方使い分けています。

GODOXのモノブロック式のストロボ

今回の記事では実際に使ってみてのレビューをふんだんに加えながら、
これから買う人がどちらを選ぶべきかを解説していきます。

結論としては

人物撮影の強力なメインライトとして使うならAD300

メインライト+αの使い方ができる汎用性を求めるならAD200

こう考えて普段から使い分けしています。

 

 

AD200とAD300のスペックをそれぞれ比較!

まずは最初にAD200とAD300の違いをスペック面から一覧で確認してみましょう。
違いが出ている部分で重要だと感じるものは赤字で記入しています。

商品名 Godox AD200シリーズ Godox AD300
発売日 AD200:2017年7月
AD200pro:2019年8月
AD200proⅡ:2024年夏
2020年6月
付属ストロボヘッド 通常:H200(付属)
電球:H200J(付属)
丸型:H200R(別売)
なし(電球型)
ワイヤレススレーブモード 2.4GHz無線モード(キャノン、ニコン、ソニーなど各メーカーと互換性あり) 2.4GHz無線モード(キャノン、ニコン、ソニーなど各メーカーと互換性あり)
フラッシュモード ワイヤレスOFF/M/Multi/無線スレーブによるTTL/M/Multi ワイヤレスOFF/M/Multi/無線スレーブによるTTL/M/Multi
GN:ガイドナンバー(光の強さ) スピードライトヘッド:52
(ISO100・m/@35mm)
フラッシュチューブヘッド:60
(ISO100・m/@28mm)
記載なし
最大パワー 200w/s 300w/s
フラッシュ閃光時間 スピードライトヘッド:1/220~1/13000秒
フラッシュチューブヘッド:1/220~1/11300秒
1/220~1/10200秒

パワー出力調整 AD200,AD200pro:
9段:1/1~1/256
各0.3刻みで調整可能
AD200proⅡ
10段:1/1~1/512 
各0.1刻みで調整可能
9段 81段階:1/1~1/256
各0.3刻みで調整可能
マルチフラッシュ 最大90回 99Hz 最大90回 99Hz
フラッシュ調光補正 ±3段 1/3刻み
(AD200pro以降は0.1刻み)
±3段 1/3刻み
シンクロモード ハイスピードシンクロ(最大1/8000秒)
先幕および後幕シンクロ
ハイスピードシンクロ(最大1/8000秒)
先幕および後幕シンクロ
発光タイマー 0.01~30秒 0.01~30秒
BEEP音
モデリングランプ AD200:LED
最大出力約3.6W/3段階調整
AD200proⅡ:LED
0~100%で調整可能、光量も大幅向上
色温度3000-6000K±500K/
LED
最大出力12Ws
1~10での明るさ調節可能。
3000~6000K±500Kでの色温度調節可能
Opticalスレーブフラッシュ S1/S2 S1/S2
フラッシュ継続表示
ワイヤレスフラッシュ機能 スレーブOFF スレーブOFF
制御可能なスレーヴグループ AD200,AD200pro:
5グループ(A,B,C,D,E)
AD200proⅡ
16グループ :0~9、A~F
5(A,B,C,D,E)
送信範囲(約) 最大100m 最大100m
チャンネル 32(1~32)、ID:01~99 32(1~32)、ID:01~99
電源 リチウムバッテリーパック(14.4V/2900mAh) リチウム電池(14.4V/2600mAh)
※GODOX WB300P
発光回数(フル発光) 500回 320回
リサイクルタイム 約0.01~2.1秒 約0.01~1.5秒
バッテリー状況表示
パワーセーブ 使用後約30分~120分に調整できます。 使用後約30分経過後自動OFF 
シンクロトリガーモード 3.5mmシンクロコード、ワイヤレスコントロールポート 3.5mmシンクロコード、ワイヤレスコントロールポート
色温度 5600±200k 5600±200k
サイズ フラッシュヘッドなし
172×75×54mm
フラッシュヘッドあり
210mm×90mm×79mm
190×100×90mm(フラッシュヘッド含む)
重量 590g(本体のみ)
0.99kg(
フラッシュヘッド、ランプ、電池含む)
1.27kg(本体およびバッテリー含む)
形状 長方形型 円柱型
価格(2025年3月Amazon参考) AD200:48,000円程度
AD200pro:53,000円程度
AD200proⅡ:59,000円程度
71,000円程度

 

スペック表から比較すると以下の違いがあることがわかります。

  • ストロボヘッド:AD200は交換可、AD300は交換不可
  • 最大パワー:AD200は200w/s、AD300は300w/s
  • 発光回数:AD200の方が電池が長持ち
  • サイズ:AD200の方がコンパクトかつ軽量
  • 価格:12,000~23,000円程度の価格差がある。

 

【レビュー】実際に使ってわかったAD200とAD300の違い5つ!

先ほどはスペック表を見ての違いをまとめましたが、私自身が実際に両方を使って感じた違いは以下の5つになります。

  1. 光量:AD300の方が300Wと出力量が大きく、光量が強い。
  2. サイズおよび重量の違い:AD200の方がコンパクトに取り回しできる。
  3. 電池持ち:AD200の方が電池の持ちが良い。
  4. アクセサリーの充実度:AD200は付属関連アクセサリーが充実している。
  5. モデリングランプの充実度:AD300は細かい設定が可能!(AD200proⅡはほぼ同スペックで調整可能)

 

①光量:AD300の方が出力量が大きい!

やはり一番の違いはこの部分、AD200の光量が200Wであるのに対して、AD300は300Wと光量が大きく、より強力なフラッシュ発光が可能です。

実際に同じ設定でどれくらいの光量があるかを写真で見てみましょう。
設定や撮影環境は以下の通りの状態で比較しました。

  • カメラ:SONY a7RⅣ
  • コマンダー:GODOX X3
  • 部屋の状態:明かりは付けずに真っ暗な状態
  • シャッタースピード:1/125
  • F値:F4.5
  • ISO:100
  • 壁との距離:80cm程度
  • ディフューザー:なし
  • AD200のヘッド:ベアバルブ(電球) GN60で比較するため

 

AD300とAD200、光量1/256での比較 AD300とAD200、光量1/128での比較 AD300とAD200、光量1/64での比較 AD300とAD200、光量1/32での比較 AD300とAD200、光量1/16での比較 AD300とAD200、光量1/8での比較 AD300とAD200、光量1/4での比較 AD300とAD200、光量1/2での比較 AD300とAD200、光量1/1での比較

全体としてAD300の方が強い発光量となっているのがよくわかります。
比較すると100wの差は大きいと改めて実感しますね。

光量が強いとどんな時に役立つ?=屋外人物撮影!

AD300の強力な発光量が特に役立つのは、強い日光が差す屋外時での人物撮影です。

特にコスプレイベントやポートレートは屋外での撮影が多く、日中シンクロを行うには強い発光が必要となります。

  • 強い逆光下でキレイな人物撮影をしたい!
  • 屋外で青空をキレイに写真に残したい。
  • 人の顔に影を入れずにキレイに撮影したい。

そんな時のメインライトとしてAD300は役立ちます。

またAD300自体のヘッドもフラッシュ型になっており、人物撮影向きの柔らかい光での発光になっています。

この点も人物撮影のメインライトとしてAD300が適している理由の一つとも言えます。

 

②サイズ・重量の違い:AD200の方がコンパクト

続いてはサイズ感についてです。

どちらもコンパクトながら強い発光量を実現しているモノブロックストロボですが、使ってみた感覚ではAD200の方がより軽く使いまわしもしやすい印象です。

バッテリーやストロボヘッドまで含めた全部の重量は以下の通りです。

  • AD300:1.25g
  • AD200:0.99g

約250gの差ではありますが、1日スタンドにセットした状態や手持ちで運ぶことを考えると大きいです。

また形状も長方形型になっているAD200の方がカバンに入れたりする上でもコンパクトに収納できます。

移動が多い撮影が多い方は、この取り回しの点についても参考するポイントになると思います。

またAD300の場合は、他のメーカーの通常のS型ブラケットにはセットできません。
AD300用にセット部分を広げることができる「GODOX S2ブラケット」が必要になります。

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価格はさほど変わらないので、AD300を使う場合は別途購入を検討しましょう。

③電池持ち:AD200が電池持ち◎

これはかなり実感として感じることですが、電池持ちはAD200の方が明らかに良いです。

実際のスペックでもフル発光でAD300が320回、AD200が500回とあるように、同時に使っている場合はAD300の方が確実に早くバッテリー切れが起こります。

設定光量にもよると思いますが、AD300は日中での撮影で4~5時間程度でバッテリーが切れます。

もし長時間の撮影をする場合、AD300は予備の電池を用意することをおすすめします。

ちなみにですが、AD300とAD200の電池は互換性があります。
予備の電池を一つ買っておくだけでも両方で使用できるので、撮影スタイルによっては買い増しをしておいてもよいと思います。

 

 

④アクセサリーの充実度:AD200はカスタマイズ可能!

AD200には関連アクセサリーとして様々なものが発売されています。
一番顕著なのはストロボヘッドが交換できる点です。

AD200シリーズには3つのストロボヘッドが発売されています。

モノブロックストロボの例(AD200) AD200にセットしたH200R

ヘッドを替えることによって、光の質も変化するのでライティングの幅を増やすことができます。

それ以外にもAD200シリーズは関連のアクセサリーが充実しています。
例えば、本体の落下故障を防げる上に取り回しも便利になる延長コードのEC200。

ストロボヘッドもH200Rやフラッシュチューブヘッドなど複数から選ぶことが可能です。

EC200を通常のストロボヘッドへセット EC200を使ってもモデリングランプを点灯可能 EC200をベアバルブヘッドへセット

これ以外にもさまざまな関連アクセサリーがあり、自分好みにカスタマイズが可能です。

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対してAD300には、このようなアクセサリーは販売していません。
基本的には製品の元々の形状で使うのが前提になります。

 

⑤モデリングランプ:AD300が上!

最後は付属にモデリングランプについてです。

AD200のモデリングランプは細かい設定ができずに、ほとんどピントを合わせるための点灯用ぐらいしか使えませんでした。

しかしAD300は、明るさも1~10段階まで調整ができる上に色温度も3000~6000Kまでの調整が可能です。

 

設定のせいで映りが少し微妙ではありますが、モデリングが映っている壁をみると明るさに差があります。
AD300ならモデリングランプを撮影の幅を広げるのに使うこともできます。

しかもAD300のモデリングランプは、チューブ型のフラッシュヘッドでの対応なので、AD200のモデリングランプよりも柔らかい光で照らすことができます。

夜のポートレート撮影などにも活用できそうです。

※AD200proⅡはモデリングランプ機能が大きく改善されて、撮影に使用可能なスペックとなりました。こちらの記事で詳しく解説しています。

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AD200とAD300、使い分けするポイントは?

ここまでAD200とAD300を比較して、主なポイントについて解説しました。

最後に私自身が実際に使ってみて、AD200とAD300をどのように使い分けしているかを参考に書いておきたいと思います。

私自身はスタジオやイベントでの撮影は、

人物を照らすメインライト(キーライト)としてAD300。

補助的なライト(バックライトや下から照らすライト、フィルライトなど)にAD200。

アクセサリーなどを使って撮影の幅を広げるようにAD200をもう一灯。

このように使い分けています。

 

強い光量があるAD300はメインライト!

AD300の最大のメリットは何といっても300Wの強い発光量にあります。

この発光量を生かすべく、私は人物撮影、特に晴天下の屋外でのメインライトとしてAD300を使っています。

AD300にディフューザーとしてアンブレラソフトボックスを組み合わせて、より柔らかい光にしてメインライトとして使用。

日中シンクロを行うにも十分な光量を実現するメインライトとして活躍しています。

補助的なサブライトとしてAD200を使用!

対してAD200はメインライトとしても十分使えますが、私はサブとして補助的なライトで使用しています。

具体的には以下のような使い方です。

  • もう一本ライトスタンドを用意して、バックライトやサイドライトとして使用。
  • AD300と同様、ディフューザーと組み合わせて左右両方から照らす光として使用。
  • 1本のライトスタンドのメインにAD300、下部分にAD200でクラムシェル。

 

AD200のメリットは、ストロボヘッドを自在に変更できることにあります。

使い方に応じて通常ストロボ、チューブヘッド、H200R

ヘッドを変更して、撮影方法によって発光表現を変えています。

私の場合は人物撮影にはチューブヘッド、サイドやバックライトには通常ストロボヘッド。
丸い光を表現したい場合はH200Rを使用しています。

 

AD200+アクセサリーで撮影の幅を広げる!

AD200にはストロボヘッド以外にも、様々なアクセサリーが販売されています。
このアクセサリーを使って、AD200には撮影表現の幅を広げるのに使用しています。

例えば色付きのバックライトを作り出すためのAD-S11。

Godox AD-S11

 

光に方向性をつけるためのバーンドアやスヌートと言われるアイテムがセットのAK-R1

GODOX関連アクセサリーAK-R1

こういったアクセサリーと組み合わせる用としてAD200を活用しています。
このようにAD200には撮影の幅を広げる用途としても使うことができます。

 

【まとめ】AD300とAD200の比較ポイントをおさらい!

ここまでGODOX AD300とAD200の比較ポイントについて解説しました。
やはり一番比較すべきポイントは光量が300Wか200Wの差になると思います。

日中の屋外のメインライトとしても十分使える強い発光量を求めるならAD300。

メインライト+汎用性を求めるならAD200。

この用途で選択するのが、実際に私が使ってみてのおすすめです。
ぜひストロボ選びの参考にしてみてください。

 

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