「なかなかキレイに写真撮れないな…ストロボを使ってみたら写真変わるかな?」
「ストロボ1灯あったら、どんな写真が撮れるのかな?」
今回はコスプレ撮影やポートレートなど…
人物を撮影するカメラマンとして活動中の人向けの疑問にお答えします。
この記事の内容
- ストロボ1灯でこれだけできる!=写真の出来を変える4つの効果
- ストロボ1灯を使う時にあると良い機材=ディフューザーは必須。
- 逆にストロボ1灯だけではできないこと。これがしたいなら2灯以上必要です。
- 最初の1灯or追加の2灯目におすすめのストロボを紹介【コスパ重視】
私は現役のコスプレカメラマンとして活動しており、今ストロボを4灯所有しています。
撮影の状況や撮りたい写真に応じて1~4灯のストロボを使い分けしています。
ストロボは1つ増えるごとに、撮影できる写真の幅を広げてくれます。
ストロボ1灯でできることも、逆に多灯じゃないとできないこともわかりますので、その視点から解説していきます。
Contents
ストロボ1灯のライティングでできる4つのこと【写真の出来を変える】
ストロボは別名スピードライトとも呼ばれる撮影機材の基本中の基本のアイテムです。
コスプレ撮影やポートレートではカメラのホットシューに直接装着できるようになっているクリップオンタイプが一番主流に使われています。
今回はこのクリップオンタイプのストロボ1灯でできることを解説しましょう。
具体的にストロボ1灯あれば、以下の4つのライティング効果が作れます。
- 暗い場所でも明るく撮る。
- 顔の肌感をキレイに撮る=いわゆる「盛れた写真」が撮れる。
- オフカメラライティングでより被写体をキレイに撮れる。
- 光の特殊効果を写真に追加できる。
暗い場所でも明るく撮影できる!
これはもう当たり前ですね。
ストロボはカメラと連動してフラッシュを発光します。
暗い場所であってもストロボ光を利用して、被写体を明るく照らすことができます。
光の入らない屋内や夜間の屋外でも明るく撮影できます。
顔の肌感をキレイに撮影できる=「盛れた写真」が撮れる
しかしスタジオや屋外などの明るい場所でもストロボを使っているカメラマンを見かけますよね。
彼らはストロボを使って「被写体の顔や衣装から影を無くし、映える状態」にしています。
具体的には、ストロボの光を使って顔の影の余計な影や凹凸を飛ばして肌をキレイに映すように工夫をしています。
このライティング効果はストロボ1灯で十分に実感できます。
その方法を解説しましょう。
バウンスを利用して肌をキレイに映す!
ストロボの光は被写体に直当てしてもあまりキレイに映りません。
それどころか逆に肌の凹凸などをはっきりと映してしまうので、コスプレ撮影等では嫌われる傾向にあります。
そこで活用したいのが、ストロボの光を一度壁や天井などに反射させて拡散させるライティングです。
このライティングを「バウンス」と言います。
【バウンスの手順】
まずはカメラのホットシューにストロボをセットします。
その後、被写体に直接当てるのではなく、跳ね返った光が降り注ぐ方向をイメージして、壁や天井の方へ角度を設定します。
ストロボの首振り機能を使って、反射させたい壁や天井の方向に向けて角度を変えます。
こうすることで、フラッシュ感のない自然光のようなコスプレ撮影で好まれる光にできます。
ただし反射させる壁や天井の色の影響を受けますし、距離によっては反射させたい箇所まで光が届かないこともあります。
使えるようになるにはコツが要りますし、条件が揃っていないとうまく出来ません。
しかし他の機材も必要ないので、ストロボ1灯でできるライティングとして覚えておきましょう。
ディフューザーを使えば直当ても可能!
バウンスはストロボ一つあればできるライティングですが、その分場所などの条件が揃わないとうまく撮れません。また実際に使いこなすには慣れも必要です。
そこでクリップオンストロボで人物撮影をする場合に、必須なのがディフューザーです。
ディフューザーはストロボとセットに使用することで、ストロボの光の質を変えてくれて、人物撮影に適した柔らかい光にしてくれます。
光を拡散させるにはボックス型のディフューザーがおすすめです。マジックテープを使ってストロボに固定でき、折り畳みも可能なので非常に使い勝手が良いです。
オフカメラライティングで被写体をもっとキレイに!
バウンスとディフューザーを利用して、被写体をキレイに撮影する方法を解説しました。
しかしストロボ1灯であっても、他の機材と組み合わせることによってさらに写真のレベルが向上します。
次に紹介したいのがオフカメラライティングです。
クリップオン型のストロボはカメラのホットシューにセットしなくても、ラジオスレーブなどを使うことで自分の好きな場所に置いて光らせることができます。
このオフカメラライティングによって、撮影できる写真の幅は大きく広がります。
より顔の質感を良くする効果の高いディフューザーと組み合わせたり、ストロボの置き場所を工夫して、よりコスプレ撮影で好まれる光が作れます。
オフカメラライティングに必要な2つの機材
オフカメラライティングを行う場合は「ラジオスレーブ」が必要になります。
別名コマンダーとも呼ばれるオフカメラライティングの必需品です。
ラジオスレーブは、カメラのホットシューに装着してシャッターと連動して電波を発信するものです。
カメラから離れていても電波を受信したストロボが、シャッターと連動して一緒に光るという仕組みです。
もう一つ必要な機材はストロボをセットする「スタンド」です。
被写体の顔に位置までストロボを持ってくるなど、高さを自在に決めるために必要となります。またディフューザーと一緒とストロボを一緒にセットすることも可能です。
アンブレラやソフトボックスでもっと被写体を美しく撮る!
先ほど説明したクリップオン状態のディフューザーでも柔らかい光は作れますが、より効果的に光を作れるのが、ソフトボックスやアンブレラといった大型のディフューザーです。
スタジオでも使用しているカメラマンを見かけますよね。
光を拡散し柔らかくするには大型のディフューザーが効果的です。
ストロボ1灯の場合、特に透過型もしくは反射型アンブレラとの組み合わせがおすすめです。
アンブレラと組み合わせれば、ストロボ1灯でも部屋全体に光を拡散させることができますので、1人~2人程度の少人数の撮影なら十分に柔らかい光で撮影できます。
ソフトボックスはストロボ光を柔らかくするだけではなく、写真の中で明るい部分と暗い部分、いわゆる明暗差を演出して作品の表現をすることもできます。
光の特殊効果を演出できる!
オフカメラライティングを使って、写真内に光の特殊効果を演出できます。
- 被写体の後ろ方向からストロボを発光させることでバックライトを演出できる。
- 自然光の入っていない室内でもストロボ光を自然光のように入れる。
- 写真にストロボ光の光線をいれてフレアを演出。
こういった光の特殊効果がストロボ1灯でもできます。
ただし1灯の場合、光の特殊効果を作るのにストロボを使うと、被写体の顔を明るく照らす光が無くなってしまいます。
もともと明るい場所で行うか、スタジオの定常光などを利用する必要があります。
「限られた条件の中ではなるが、光の特殊演出ができる」ということになります。
逆にストロボ1灯だけでは難しいこと!2灯以上が必要
ストロボ1灯でも様々なライティングができることを解説しました。
しかし逆に1灯だけでは限界もあります。ここからは2灯以上のストロボを必要とするライティングの例を解説します。
【ストロボが2灯以上ないとできないライティングの例】
- 5人以上の大人数を明るくキレイに撮影する。
- 暗い場所でのバックライトなどの光の演出。
- 片方が暗い、片方が明るいなどの明暗差や色彩差の演出。
Twitterを見ていて「こんな写真を撮りたい!」と思うこともあるかもしれませんが、調べてみるとどうしてもストロボ1灯だけでは撮れないこともあります。
今後1灯のストロボに慣れてきたら、買い足しを検討しましょう。
5人以上の大人数はストロボ1灯では無理
大型のアンブレラ+1灯でキレイに撮影できる人数は限界でも4人くらいです。
それも離れるのではなく、ぎゅっとお互いの距離を近くしてもらう場合なら何とかいけるといったところでしょうか。
5人以上の集合写真や広がった配置で写真を撮る場合は、1灯では難しいです。
暗い部屋での光の演出は1灯だけでは難しい…
スタジオの特定のブースや黒ホリなどは非常に暗く設定されており、前から被写体の顔を照らすための光が必須になります。
後ろからバックライトを入れる、壁に光を当てるなどの光の演出がしたい場合は、プラスでストロボが必要になります。
明暗差や色彩差の演出は1灯ではできない…!
2人以上撮影する時に「片方が暗く、片方が明るい」と悩むことがあります。
特に白と黒の衣装の場合、黒に当たる光を強くしなければ暗くなってしまいます。
このように衣装の色合いによって片方を明るく!など明暗差を付けたい時があります。
他には壁に光が2色以上当たっているような色彩差がある写真も見かけますよね。
ストロボ1灯の場合、設定できるのはもちろん1灯だけなので、こういった差をつけるような撮影はできません。
最初の1灯or追加の2灯目におすすめのストロボ!
ここまでストロボ1灯でできることとできないことを解説してきました。
ここからはストロボを新しく購入したり、もう1灯買い足しを検討している方へおすすめのストロボを紹介します。
今回は「コスパに優れている」という観点でストロボとして3つ紹介します。
- 初めてのストロボにコスパ抜群の「Yongnuo YN560Ⅲ」
- これから本格的に始めたいなら「GODOX AD200」
- まずはストロボを試してみたい!なら激安の「NEEWER TT560」
いずれもサードパーティーと呼ばれ、どのカメラメーカーでも使える汎用性があります。
価格もcannonやNikonなどのカメラメーカーが発売しているストロボ(純正品)に比べると安く設定されているのが特徴です。
初めてのストロボにコスパ抜群の「Yongnuo YN560Ⅲ」
中国のメーカーYongnuo(ヨンヌオ)のストロボです。
コスプレ撮影でも非常に使っているカメラマンが多くいます。
人気のある機種でAmazonでも人気でレビュー数も1,000を多く上回っています。
- 人物撮影に十分な光量で発光(ガイドナンバー58)
- 1/1~1/128まで光量の調節が可能
- 照射角度やストロボの首振り角度も調整可能
- Yongnuoのラジオスレーブがあればオフカメラライティングも可能
これだけできて価格は7,000~8,000円程度で販売されています。
このレベルを純正品で買おうと思うと価格は2万円を超えるので、コスパ抜群のストロボと言えますね。
これから本格的に揃えていきたいならGODOX AD200
こちらはクリップオンではなく、スタンドにセットして使うタイプです。
GODOX(ゴドックス)のAD200という機種です。
同じくコスプレ撮影で広く使われている人気ストロボです。
私自身も二つ持っており、とても使用感に満足しているストロボです。
毎回撮影のたびにメインのストロボとして使い倒してます。
【GODOX AD200の特徴】
- クリップオンストロボに比べて光量が強い!(およそ2倍)
- リチウム電池を使用し、バッテリーの持ちが良い。繰り返し充電可能。
- 多くの付属パーツ(別売)があり、様々な撮影方法を1台で可能にする。
- クリップオンはできないので、基本的にオフカメラで使う(ラジオスレーブが必要)
- 連続撮影でもしっかり光る!長時間撮影、連写もOK!
価格は37,000円~40,000円前後で販売されています。
今回紹介する他の2つに比べればかなり高額ですが、今後ライティングをしっかりと覚えていきたい方やメインで使える品質に優れたストロボを探している方には十分価値があるストロボだと思います。
とにかくまずはストロボを使ってみたいならNEEWER TT560
最後に紹介するのは「とにかくまずストロボがどんなものか試してみたい」という方におすすめの激安ストロボ「NEEWER TT560」です。
価格は破格の3,000円代です。
こんなに安くても問題なく光りますし、ストロボを体験したり、サブとして使うには全く支障ないレベルですね。
私も初めて買ったのはこのストロボでした。
【NEEWER TT560の特徴】
- とにかく光れば良い!光量はやはり弱め(ガイドナンバー38)
- 液晶はなく、すべてボタンで設定をする。
- 赤外線を利用したスレーブ撮影も可能。
【まとめ】ストロボがあれば写真が大きく変わる!
今回はストロボ1灯でできるライティングやおすすめのストロボの紹介でした。
1灯あればコスプレ撮影やポトレで求められやすい「被写体の顔をキレイに撮ること」を中心に様々なライティング効果を体験できます。
さらにストロボを追加していけば、1灯ではできないような多灯を生かしたライティングもできます。
ただしストロボをしっかり使いこなせるようになるには、慣れが必要になります。
まずはコスパの良いストロボを購入してみて、使った感触を早めに体験してみると良いでしょう。
【おまけ】撮影機材を少しでも安く買う裏技!!
カメラ、レンズ、ストロボ…その他撮影機材ってどうしても高いですよね。
こちらの記事では、そんな撮影機材を安く買うための方法を公開しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
誰も教えてくれないコスプレイベントのアレコレ…余すところなく公開中!!
「真剣なカメラマンさん」だけにこっそりと読んでほしいnoteです。
【限定公開】世界初の『コスプレイベント』完全攻略note|コスプレカメラマン養成講座|note
「もっと撮影予定を充実させたい…」悩める中堅カメラマンさん向けの1冊。
世界で唯一無二の『コスプレカメラマン専用のtwitter(X)完全攻略note』です。